短信 ― 2025年10月04日
アーマチュア設計支援ソフト その2 ― 2025年10月05日
その1 でarmature calculator が Windows 10 で使えるようになったと書きました。ついでです。以前もここにあげたと記憶していますが、隠し機能を再公開します。
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【隠し機能】
インターフェースを簡便にするため、あまり使わないであろう機能と、仕様検討中の機能を隠してあります。
○隠し機能1:理想数値の変更
Crtl と Shift を押しながら armature calculator を起動すると、ステップ2で表示される理想数値が海外仕様(※)となります。
○隠し機能2:画面のファイル保存
最終画面で Crtl と Shift を押しながら「印刷する」ボタンをクリックすると、画面が「tac.bmp」というファイルに保存されます。保存先は、armature calculator のあるフォルダと同じフォルダです。
保存されるイメージは 72dpi なので、一度 Photoshop や Illustrator などに読み込めば、正確な大きさで印刷できます。ボタンの「x 1」で表示された画面は原寸、「x 4]で表示された画面は4倍、「x 8」で表示された画面は8倍のサイズになっています。
○隠し機能3:パーツ画像コピーモード
最終画面で Crtl と Shift を押しながら Tetsu's armature calculator ロゴをクリックすると、パーツ画像コピーモードになります。
このモードでは、収容径が描く赤ラインにはさまれたパーツ画像を、クリップボードにコピーできます。
ボタンの「x 1」で表示されたパーツは原寸、「x 4]で表示されたパーツは4倍、「x 8」で表示されたパーツは8倍のサイズで描かれています。
パーツ画像を Illustrator 上にコピー&ペーストし、拡大率に応じて100%・25%・12.5%に縮小をかけると、原寸となります(100%は、縮小しないという意味)。下位のレイヤーに人形の原寸図を置いてロックすれば、Illustrator 上で、アーマチュアのサイズと配置がシミュレーションできます。
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追記: ※理想数値が海外仕様
Xを球径、Yを穴径、Zを板間(板間距離)としたとき
(1) X:Y:Z = 5:3:4(海外仕様)
(2) X:Y:Z = √2:1:1(マイナー仕様)
になるよう計算されます。 (図参照)
計算の出発点が違うだけです。市販してるサイズの材料で組もうとすると、設計結果はほとんど同じになります。
マイナー仕様は私がボール&ソケット関節の制作を本格的にはじめたころ、あるメカトロエンジニアさんに教わったデータに基づいています。これが一番力学的に安定する的な。詳細は覚えてないです。
ボール穴あけ治具 その1 ― 2025年10月06日
鋼球やステン球は旋盤で穴あけできます。黄銅球も同様ですが、旋盤の三爪チャックが球面に食い込んでキズをつけます。キズは関節に動作障害をおこします。自分で使うのなら我慢すればいいです。が、受注品だと傷がないほうがカッコイイです。
治具をつくると、黄銅球面に傷なしで穴があけられます。黄銅球に限らず鋼球やステン球にも使えます。旋盤がなくても、ボール盤だけで完結するのが最大の利点です。
写真上2点:
雑誌や書籍に掲載したボール穴あけ治具です。1本のねじで3つのボールを固定し、3つずつ穴あけしていきます。上は組んだところ、その下は分解したところです。
「映像+」掲載直後は海外でもパクられました。ものすごい豪華版になってました(笑)。治具に開けた穴は使うたびに拡大しへたっていきます。消耗品だから、豪華につくっても労力が無駄になります。
写真下:
3穴式をみた沖縄の牧野謙さん(故人)に「そんな材料沖縄には売ってません!」といわれ、そうなんだーということでひねり出した2穴式です。次回に工程をのせます。
つづく
ボール穴あけ治具 その2 ― 2025年10月07日
ボール穴あけ治具 その2 追記 ― 2025年10月07日
上の角棒が矢印の方向に回転して、がたつくのではと聞かれました。回りません! 1本ボルトが回転を防ぎます。
【トップイメージ解説】 ― 2025年10月08日
本家サイト http://www.modelanimation.com/ トップイメージ解説
スマホ自在雲台ならぬ、スマホティルト雲台です。ティルト専用です。いわつき号よりひっぺがした微動ユニットを装着し、微動できるようになってます。動作範囲は→ こちら
ヒンジ部分は日本伝統の紙丁番です。屏風などに使われています。材質は和紙ではなく合成紙です。思う以上に丈夫です。
ボールとソケットの相性 ― 2025年10月10日
ボール&ソケット関節における材料の相性。リン青銅ソケットにはSUS440C球、黄銅ソケットには黄銅球しか選択肢がありません。他の組み合わせは私的には✕です。
世の中には×の組み合わせで堂々市販してるキットもあります。多分、わからずに生産しているのだと思います。
東急ハンズに売ってるステン球はSUS304/SUS303系です。SUS440C球はネットで買います。モノタロウだと1個から買えます。
S440C球に穴を開けるには熱処理(焼きなまし)がいります。私は電気炉(ハイセラキルン)で810度をかけて炉冷します。加熱時間は通常1時間です。大径のものは2時間です。
電気炉を使うのは業務用としてたくさん使うからです。個人で小規模に、というのであれば、七輪と木炭でやれます。
七輪によるSUS440C球やきなまし ― 2025年10月11日
写真左上:
七輪底に灯油をしみこませたクシャ紙を置き、その上に木炭、一番上にSUS440C球を入れたチョコ皿(溶解皿)を置き、クシャ紙に着火します。
写真下:
送風口にドライヤーの冷風を送り込み燃え上がらせます。植木鉢を逆さまにかぶせると、熱がこもって効率がいいです。
時々フタをとって球の色をみて、火力を調整します。SUS440C球がオレンジ色に明るく輝くまでやるとやりすぎです(一時的ならいいです)。暗い赤ぐらいがちょうどいいのですが、その色が内部から発したものなのか、周りの炎の色の照り返しなのかを見分けるのは難しいです。そこで秘密兵器
写真右上:
DAISOの懐中電灯を改造した磁性チェッカー(要はロッド先端につけた電磁石)です。先端を球にあててスイッチを入れると、球に磁性があればくっつくし、なければくっつきません。SUS440Cは770℃に達すると磁性を失います。磁性がなくなるときの色を覚えておけば、770℃よりちょい高い温度を維持できます。
770℃を超えてからどこで810℃になるかはわかりません。810℃というのは鋼球(SUJ2)を焼きなますときの温度です。実はSUS440Cは810℃でも770℃でも焼きなまります。説明を単純化して、日ごろ人には「SUJ2もSUS440Cも、810℃で焼きなまりますよ」といってます。だから磁性チェックで770℃超を保てばいいのです。
磁性チェッカーは電磁石でないとだめです。永久磁石では代用できません。スイッチで磁性が切れないと、熱した球がくっついてチョコ皿から飛び出してしまいます。永久磁石自体も高熱で磁性を失います。
加熱時間は木炭が白い灰になるまでです。
設計図 ― 2025年10月12日
美しいRづけ ― 2025年10月13日
ソケットプレートの角を削って丸みをつけることを「Rをつける」といいます。
(1)治具に固定する。
(2)ベルトサンダーでおおまかにRづけ。
(3)バイスに横固定して金ヤスリで整形。
(4)バイスに縦固定して、帯状に裂いた布ペーパーで滑らかにする。
治具はソケットプレート加工に失敗した平角棒などがそのまま使えることもあります。(写真)
海外の某有名アーマチュリストもおそらくこの方法を使ってます。工程を見たわけではありませんが、製品の形状から類推できます。





