加工硬化の話 その42024年04月03日

加工硬化 3

今度は加工硬化をリセットします。「応力除去焼きなまし」と呼ばれるものです。穴べりをすべて青(加工硬化なし)に戻します。硬度の偏りで起こる、動きのクセがなくなるはずです。

処理温度は、とりあえず最高に効果がありそうな1050度超を目指します。これは「応力除去焼きなまし」とセットで語られることの多い「固溶化処理」(覚えなくていいです)の処理温度でもあります。
1050度超は 以前改造したアナログ式電気炉 を使えば達成できる温度ですが、今回はもっと簡易な方法を試します。
ボールが接触してこすれるのは穴べりだけですから、穴べりの表層部分だけが焼きなまされればいいはずです。加熱時間も短時間ですみます。
ガスバーナーの炎は1200度超、余裕の1050度超です。ガスバーナーでソケットプレートを熱し、一定時間保ちます。温度は色をたよりに把握します。

12.7径二連関節で試すと、設定温度に到達後30秒の加熱でOKになりました。
同じ秒数で9.525径二連を処理すると、処理した10個すべてがOKになりました。